04.メインフレーム・コンピューターのハードウェア(プロセッサーとチャネル)

プロセッサー

メインフレームではCPUはプロセッサーと呼ばれます。PCで言えばCPUとマザーボードを組み合わせ、メモリーを実装したものです。PC同様メインフレームにもケースがあって筐体と呼ばれます。CPUは初期のシステム/360の頃から32ビットCPUが採用されており、最新のz/アーキテクチャーでは64ビットCPUが採用されています。命令体系は独自の物が採用されていて、IBM社のシステム/370およびその後継アーキテクチャーがメインフレーム用プロセッサーの標準です。CPUのCはCentralで中央演算処理装置の意味を示していますが、これは真ん中に大きな演算処理装置を1台どんと置いた昔の名残で、現在ではCPU自体は複数個が使われ演算装置自体もシステムを構成する要素の1つに過ぎないという考え方から、CP(OSから見た演算装置)、 PU(ハードウェア上の演算装置)とも呼ばれます。

チャネル

チャネルは、CPUとすべてのデバイス(ディスクやテープなどの各種装置)の間に位置し、実際の入出力(I/O)制御を一手に引き受けます。入出力制御をチャネルに任せることで、超高速で動くCPUの処理から、低速なデバイスのI/O処理を完全に切り離すことができました。I/Oをチャネルに任せることで CPUの処理能力を最大限に引き出し、ソフトウェア処理までも含めたシステム全体のスループットを向上させます。チャネルは一種の専用コンピューターでもあって、CCW(Channel Command Word:チャネル・コマンドワード)と言う専用の命令によってCPUからI/O処理の要求を受けます。この間、CPUはデバイス動作の完了を待つことなく、他の処理を行います。デバイス動作が完了すると、チャネルはデバイスのI/O動作が完了したことをCPUに通知し(これを入出力割込みと呼びます)、CPUは通知を受けてI/Oが成功したかどうかを調べ、その結果によってさらに後続の処理を行っていきます。データ転送も、チャネルが直接メモリーをアクセスすることで行われCPUは一切関与しません。