ISPFでは、3つ以上の論理画面(パネル)を使うこともできます。PF2(SPLIT)キーとPF9(SWAP)キーで、2つのパネルを切り替えて使うことはよく知られていますが、デフォルトのキー割り当てでは、3つ以上のパネルの切り替えに対応できません。
3つ以上のパネルを使う際は、新たなパネルをSPLITではなく「START」で開始して、パネルの切り替えはSWAPではなく、「SWAP NEXT」で行います。いちいちコマンドを打つのは面倒なので、PF14とPF21にSTARTとSWAP NEXTを割り当てておくと便利です。そうすればPF2とPF9はそのままにしておいて、Shift+PF2およびShift+PF9で、3つ以上のパネルの切り替えが簡単にできます。
PFキーは、現在表示しているISPFパネルのコマンド行に、「KEYS」コマンドを入力すれば、設定画面を呼び出すことができます。PF14にSTART、PF21にSWAP NEXTを設定して、PF3で終了すれば反映されます。キー設定は、プロファイルに保管されるので次回のログオンでも有効です。
3つ以上のパネルの切り替え方法には、SWAP NEXTの他に、SWAP PREV、SWAP LISTなどがあります。SWAP LISTは、アクティブなパネルのリストをダイアログボックスに表示し、そこで選択して切り替えることができます。その他に、画面名や画面番号でも切り替えできます。SCRNAMEコマンドを使うと、そのパネルに任意の名前を付けることができ、付けた名前でパネルの切り替えができます。例えば、JCLのエディット中に「SCRNAME JCL1」とコマンドを入れておけば、別の画面で「SWAP JCL1」と入力すれば、JCL編集中のパネルに直接切り替えることができます。詳細は、ISPFのマニュアル「ユーザーズ・ガイド第1巻」を見て下さい。
ISPFの標準設定では、8つのパネルを同時に利用できます(ISPF構成をカスタマイズすることで最大で32まで拡張できる)。あまり多く起動しても混乱しますが、場合によっては3つ、4つのパネルを同時に使うことで、作業効率を上げる一助になります。デフォルトのキーでは2つのパネルの切り替えにしか対応していませんが、普段使わないShift+PF2とShift+PF9に、3つ以上のパネルの切り替えコマンドを登録すれば、割とスムーズに多くのパネルを同時に使えます。
これを書きながら、以前、ISVでプログラム開発製品を扱ってた時、「ISPFでは2つのスクリーンの切り替えしかできませんが、○○○なら9つまでの機能を並行して使用できます」なんて優位点をアピールしてたことを思い出しました。ずいぶん前のことです。たしかにあの頃は、ISPFは2画面までしかサポートされてなかったように思いますが、今は最大で32画面を並行起動できるようになっています。
3画面以上を並行して使う場合、SWAP NEXT|PREVコマンドによるパネルの順次切替は、例えPFキーにコマンドを割り当てていてもやはり面倒ではあります。3画面以上を並行して使う場合のもう1つの切替方法として、SWAPBARコマンド(z/OS V1R10でサポートされた)を紹介します。
SWAPBARコマンドを入力すると、パネルの最下行に「論理セッション・リスト」が表示されます。上の画面例のように、切り替えたいパネルの名前にカーソルを置いて実行キーを押せば、その画面に切り替えることができます。画面名の左横の*記号は現在表示中の画面名を、-記号はPF9キー(SWAPコマンド)で切り替えられる背面の画面名を示します。PF9キーを押す毎に、*と-でマークされた画面間で切り替わります。*も-も付いていない画面に切り替えるには、切り替えたい画面名にカーソルを置いて実行キーを押せば、その画面が新しい前面パネルになります。3画面以上であれば、新しくサポートされたSWAPBARコマンドによって、より効率良く、多画面のISPF操作が可能になります。