FTPクライアントからz/OSのFTPサーバーにログインした後、QUOTE SITE FILETYPE=JES
コマンドを入力すれば、以降のアクセスをデータセットではなくスプール内のジョブに切り替えることができます。JESスプールのアクセス・モードでは、ディレクトリーは意味を持ちません。データセットのアクセスに戻す場合は、QUOTE SITE FILETYPE=SEQ
と入力します。
LS[jobid]
LSコマンドで、スプール内のジョブをリストアップできます。表示できるジョブ範囲は、FTPサーバー定義のJESINTERFACELEVELによって異なります。
- INPUT ・・・実行待ちジョブを表示します
- ACTIVE・・・実行中ジョブを表示します
- OUTPUT・・・出力待ちジョブを表示します
- ALL ・・・・すべてのジョブを表示します
JESINTERFACELEVEL 1
FTPでアクセスできるのは、自ユーザーIDに任意の1文字を加えたジョブ名に限定されます。また、取り出すことができるSYSOUTは、ホールド・クラスでなければなりません。TSOのOUTPUTコマンドやISPF3.8(Outlist Utility)と同様と考えればいいでしょう。
JESINTERFACELEVEL 2
すべてのジョブにアクセスできます(ただしRACFのリソースクラスJESSPOOLアクセス権で認められた範囲に限定されます)。また、取り出すことができるSYSOUTはホールド・クラスである必要はありません(SDSFによるアクセスに近いモードです)。LSコマンドでのアクセス範囲は、JESJOBNAME、JESSTATUSおよびJESOWNERの各設定値でフィルターされます。これらは、QUOTE SITEコマンドで変更できます。
LEVEL 2モードでは、LSコマンドのパラメーターにジョブIDを指定すれば、そのジョブのSYSOUT一覧をリストアップできます。そこで表示されるSYSOUTのID番号を使って、ジョブ内の特定のSYSOUTデータセットのみを取り出すこともできます。
QUOTE SITE JESJOBNAME=ジョブ名マスク
表示されるジョブを、名前でフィルターします。USER1*とすればUSER1で始まるジョブが、単に*とすればすべてのジョブが表示されます。
QUOTE SITE JESSTATUS=ジョブ状況
表示されるジョブを、状況でフィルターします。
QUOTE SITE JESOWNER=ジョブオーナーマスク
表示されるジョブを、サブミットした人でフィルターします。オーナーにユーザーIDを指定すれば、そのユーザーからサブミットしたジョブが、単に*とすればすべてのジョブが表示されます。自分がサブミットしたジョブをジョブ名に関係なく表示したいのであれば、JESJOBNAMEに*を、JESOWNERに自ユーザーIDを指定します。
JESINTERFACELEVELを、どちらのモードにするかは、FTPデーモン空間の起動プロシージャー(FTPD)のSYSFTPD DD文に定義されたパラメーターで指定します。ジョブの実行結果をPCに転送し、使い慣れたエディター等を使って参照するには非常に便利な機能です。活用するには、JESINTERFACELEVELを2にしておくといいでしょう。
GET JOBnnnnn PC側ファイル名
ジョブ内の、転送可能なすべてのSYSOUTをPC側へ転送します。ジョブIDに「.番号」でSYSOUT番号を指定すれば、そのSYSOUTデータセットのみを転送します。「GET JOB30.5 D:\SYSOUT.txt」とすれば、ジョブID JOB00030の先頭から5番目のSYSOUTデータセットを、DドライブのSYSOUT.txtファイルとして転送します。なお、GETでSYSOUTを転送してもスプール上から削除されることはありません。
DELETE JOBnnnnn
指定したジョブを、スプールから削除します。実行中であれば、キャンセルされ削除されます。
PUT PC側ファイル名
指定したPCファイルを、JCLとしてサブミットします。ホスト側ファイル名の指定は不要です。