データセットをファイル転送可能な形式に変換する

固定長レコードのデータセットであれば、そのままファイル転送することができますが、可変長や不定長レコードの場合は、相手側転送ソフトが、MVS(z/OS)のレコード形式に対応していないと正しく転送できません。

TSOのTRANSMIT/RECEIVEコマンドを使うと、順次または区分データセットであれば、レコード形式に関係なくデータセットをRECFM=FB、BLKSIZE=3120、LRECL=80の形式に変換して、元の形式に復元することができます。TRANSMITで変換してから転送し、転送先にてRECEIVEで復元すれば、あらゆるデータセットを転送することができます。VSAMデータセットも、一旦REPROで順次データセットにアンロードすれば、TRANSMITに掛けることができます。

TRANSMITコマンド自体はデータの変換に過ぎませんが、NJEで接続されたz/OS同士、転送先がVSEやVMなどのIBMシステムであれば、同時に転送を行うこともできます。(※転送処理自体は、NJEによって行われる)NJEで接続されていない場合や、転送先がIBMシステムでない場合は、FTPや3270エミュレーターのファイル転送機能などを利用して、転送可能形式に変換されたファイルを転送します。

TSO/TRANSMITコマンド

    TSO/TRANSMITコマンド実行JCLサンプル①

    データセットを転送可能形式に変換します。TRANSMITコマンドは、XMITと略せます。DATASETパラメーターで変換する入力データセットを、OUTDDパラメーターで変換されたデータを格納する出力データセットを定義したDD名を指定します。

    2番目の例は、入出力対象のデータセットを共にDDステートメントで指定するものです。変換されたデータは、既存の区分データセットにメンバーとして登録されます。出力先区分データセットは、あらかじめRECFM=FB、BLKSIZE=3120、LRECL=80で作成してあります。

    TSO/TRANSMITコマンド実行JCLサンプル②

    データセットを転送可能形式から元の形式に復元します。RECEIVEとRESTOREコマンドを組み合わせます。INDDパラメーターで復元するXMITデータセットを定義したDD名を、DSNAMEとVOLパラメーターで復元されたデータを格納する出力先データセット名とVOLUME名を指定します。出力先データセットのRECFM、BLKSIZE、LRECLは、XMITファイル内に登録されている元のデータセット情報に基づき設定されます。スペース量は、データの大きさに合わせて必要なサイズが設定されます。

    2番目の例は、スペース量を追加設定したものです。パラメーターでスペース量を指定すれば、そちらが優先されます。

IEHMOVEユーティリティー

IEHMOVEユーティリティーUNLOAD機能実行JCLサンプル

TRANSMIT、RECEIVEが使用できないMSPとVOS3では、代替としてIEHMOVEユーティリティを利用できます。アンロードされたデータセットは、RECFM=FB、BLKSIZE=800、LRECL=80の形式に変換されます。IEHMOVEは古典的なユーティリティーで、MVS(z/OS)、MSP、VOS3間で同じ形式を持ちます。