RACFに新しいユーザーを登録するには、RACFコマンドを使用します。RACFコマンドはTSOにて発行でき、バッチセッションでも使用できます。
当然ながらADDUSERやACCOUNTコマンドなど、ユーザー・アカウントの登録コマンドは権限のあるユーザーでなければ使用できません。
RACFに新しいユーザーを登録する
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// JOB Statement //********************************************************************* //* Sample JCL - TSO BATCH SESSION --- DO RACF COMMAND --- //* ====================================================== //********************************************************************* //TSOBATCH EXEC PGM=IKJEFT01 //SYSTSPRT DD SYSOUT=* //SYSTSIN DD * ADDUSER TMPUSR1 DFLTGRP(GTSOUSER) NAME('Temporary User-1') - TSO(ACCTNUM(TEMPUSER) PROC(TMPACCNT)) LISTUSER TMPUSR1 // // |
新しいユーザー「TMPUSR1」をRACFに登録します。同時にTSOへのログオンが可能になるよう、TSOオプションを追加して、アカウント名とログオン・プロシージャー名も指定するサンプルです。
デフォルト・パスワードは、パラメーター「PASSWORD(xxxxxxxx)」によって指定できますが、サンプルのように指定しない場合は、パラメーターDFLTGRPで指定したグループ名となります(※z/OS V2R2以降、デフォルト・パスワードは割り当てられなくなった)。このサンプルでは、GTSOUSERです。このパスワードは期限切れに設定されるため、初回ログオン時にユーザー自身が使いたいものに変更しなければなりません。
TSOオプションを使用すれば、ACCOUNTコマンドによるSYS1.UADSへのユーザー登録は不要になりますが、その代わりに使用するアカウント名とログオン・プロシージャー名を、RACFに一般リソースとしてあらかじめ登録しておかなければなりません。
RACFに一般リソースとしてTSOアカウント名とログオン・プロシージャー名を登録する
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//SYSTSIN DD * RDEFINE ACCTNUM TEMPUSER UACC(READ) RDEFINE TSOPROC USRACCNT UACC(READ) RLIST ACCTNUM TEMPUSER RLIST TSOPROC TMPACCNT // |
一般リソースとして、アカウント名TEMPUSERおよびログオン・プロシージャー名TMPACCNTを登録するサンプルです。
なおRACFのTSOオプションでは、TSOのACCOUNTコマンドにあるJCL、OPERといった属性は指定できません。そのためTSOにログオンしてJCLをサブミットできるようにするには、RDEFINEまたはRALTERコマンドで、一般リソースTSOAUTHクラスのJCLプロファイルにユニバーサル・アクセス権READを与えます。
ユニバーサル・アクセス権をNONEにして、JCLサブミットを許可するユーザーを個別に設定する方法もありますが、JCLのサブミットは一般のユーザーにも通常与える権限なので、ユニバーサル・アクセスはREADにして、JCLサブミットを認めないユーザーを個別に設定する方がいいでしょう。
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//SYSTSIN DD * JCLサブミット可をデフォルト設定にする(最初に一度行えばよい) RDEFINE TSOAUTH JCL UACC(READ) または RALTER TSOAUTH JCL UACC(READ) JCLサブミットを認めないユーザーの追加(必要の都度) PERMIT JCL CLASS(TSOAUTH) ID(TMPUSR4) ACCESS(NONE) 変更したRACFプロファイルをリフレッシュする(RACF稼働中の設定反映) SETROPTS RACLIST(TSOAUTH) REFRESH 変更したプロファイル内容の確認 RLIST TSOAUTH * // |
RACFに新しいユーザーを登録するが、TSOアカウントはACCOUNTコマンドで登録する
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//TSOBATCH EXEC PGM=IKJEFT01 //SYSTSPRT DD SYSOUT=* //SYSUADS DD DISP=SHR,DSN=SYS1.UADS //SYSTSIN DD * ACCOUNT ADD (TMPUSR2 * TEMPUSER TMPACCNT) JCL END ADDUSER TMPUSR2 DFLTGRP(GTSOUSER) NAME('Temporary User-2') // |
ACCOUNTコマンドを使う場合は、アカウント名とログオン・プロシージャー名を、RACFの一般リソースとして登録しておく必要はありません。