LU(Logical Unit):論理ユニット

LU(論理ユニット)とは、メインフレーム・システムにおける主力ネットワークであるSNAにおけるネットワーク構成ノードの1つです。
LUは、エンドユーザーにネットワークサービスを提供する拠点でネットワーク構成の中で末端に位置するエンドノードです。このLUの実装製品が端末装置(現在では主に端末エミュレーター)です。

LUはいくつかのタイプに分かれ、SNAの元に自由なデータ通信ができるLU0、ディスプレイ端末であるLU2、プリンターであるLU1またはLU3があります。LU2、1および3は3270データストリーム(MSPではF6680、VOS3ではT560/20データストリーム)と呼ばれる規定のプロトコルで制御されます。

MVSでは、実際のLUはVTAMやNCPに定義されて端末装置として認識されます。また、TSOを始め、CICS、IMSなどのオンライン制御用ソフトウェアもSNA上ではLUと位置付けられ動作します。TSO、CICS、IMSなどによって構築されるトラディショナルなオンライン・システムでは、ホスト側のアプリケーション(CICSやIMSなどのオンライン制御ソフトウェア自身)がプライマリーLU、端末側がセカンダリーLUとなります。しかし、一般的にLUという言葉は主に端末装置を指すことが多いでしょう。ホスト側のアプリケーションも末端という意味では同じですが、VTAMアプリケーション(VTAM APPL)として定義され起動されることからLUというよりはAPPLとして認識されることが多いです。

1990年代になって、伝統的な「ホスト・コンピューターが主、端末が従」というネットワーク制御の中心をホスト(メインフレーム)側に置いたネットワークに変わって、互いに対等の立場で通信し合う分散型ネットワークが台頭しました。分散型処理においては、プログラム自身がエンドノードとなってノード間での対等な通信処理を行います。これに使われるのが、LU6.2と呼ばれるものです。

なお、今日ではTSOやCICSを利用する3270端末は、SNAネットワークに代わりTCP/IPネットワークを利用したTN3270接続が広く使われています。この場合のセカンダリーLUは、3270端末(3270エミュレーター)ではなく、MVS内で3270端末と同等の動作を行うTN3270サーバーが使用するVTAMのプログラム・ノード(APPLノード)になります。
CICS(Primary LU) <<— SNA communication —>> TN3270サーバー(secondary LU) <<— TCP communication —>> 3270エミュレーターという構成で接続され処理されます。

SNAネットワークに関しては、z/OSのしくみ:基礎編:ネットワーク「SNAネットワーク」の記事もご覧下さい。