仮想記憶機構
現在では1プロセッサー(ボード)あたり128GBものメモリーを装着できます。しかしこれは相当な大規模システムの話で、一般的には多くて数GBと言ったところでしょうか。メモリーは複数のCPUで共有使用されます。PCでも1GB,2GBは当たり前の時代ですが、メインフレームは歴史的経緯から意外に小さいメモリーで動きます。
実際のメモリーよりも大きなサイズのメモリーがあたかもあるように見える(使える)仕組みを仮想記憶と言います。メインフレームではシステム/370において実装されました。仮想記憶をハードウェア側からアシストするのがDAT(*1)やTLB(*2)と言う機構です。DATやTLBによってCPU自身も仮想アドレスでメモリーを高速にアクセスすることができます
*1 仮想アドレスから実アドレスに変換する。(Dynamic Address Translation)
*2 直近にアクセスされたページに関する仮想アドレスと実アドレスとの対応表を持つ、アドレス変換用のキャッシュだと思えばよい。変換結果がTLBに残っていればアドレス変換の効率が上がる。(Translation Lookaside Buffer)