入出力サービス時間要約

DASDボリュームへの入出力(I/O)は、アプリケーション・プログラムの処理において大きなウェイトを占めます。バッチ処理では、実行時間の大半をディスクなどのデバイス入出力時間が占めることもありますし、オンライン・トランザクション処理であってもデータベースへのアクセスやトランザクション・ログの記録などはディスクへの入出力を伴います。入出力動作に掛かる時間を分析し、それらを少しでも小さくすることはシステムやアプリケーションのチューニングにおける基本的な作業の1つですが、チューニング作業を正しく行うためにも入出力動作がどのような段階を踏んで行われるかを理解することは重要です。

入出力サービス時間の構成要素

入出力要求は、ソフトウェアおよびハードウェアのいくつかのコンポーネントを経て処理されます。それぞれの階層で処理を待つ時間と処理に掛かる時間が生じます。これらの合計がソフトウェア・オーバーヘッドを含む入出力処理時間です。
RMFレポートなどで示されてDASDパフォーマンスの分析などによく使われるのが、IOSQ TimeからCONN Timeまでを含めたデバイス入出力の応答時間(RESP Time)です。応答時間は、MVSのI/Oスーパーバイザーに入出力要求が渡ってからデバイス動作が実行された後、チャネルによるデータ転送が完了するまでの時間です。この間が、アプリケーション・プログラム側での入出力完了待ち時間です。

デバイス応答時間を構成する要素

処理フェーズ 意味、説明 影響を与える要因
IOSQ(IOS Queued Time) OS内での待ち時間。
先行するI/Oが実行中のため、MVS内でキューイングされている時間。
アクセス頻度の高いデータセットが同一ボリュームに集中している。
PEND(Pending Time) チャネル内での待ち時間。
チャネルがI/O実行命令を受け入れた後、デバイスに渡るまでの時間。チャネルからデバイスへのパスがすべて使用中であったり、他のシステムでデバイスが使用中であったりするとその間チャネル内で待ちとなる。
DASDボリュームの競合、チャネル・パスの使用率が高い。
DISC(Device Disconnect Time) デバイス単独での動作時間。
R/Wヘッドの目的シリンダーへの位置付け、ディスクの回転待ちなどのハードウェア動作に掛かる時間。キャッシュのステージング・デステージング待ち時間も含まれる。
データ転送を伴わない動作中は、デバイスとチャネルがパスによって論理的に繋がっている必要がないので切断中時間となる。
ディスク使用率が高い、キャッシュ・ヒット率が低い。
CONN(Device Connect Time) データ転送時間。
トラック・データの読み書きやキーによる物理レコードのサーチなどデータ転送を伴うI/O動作時間。
データ転送を伴うI/Oコマンドの処理中は、デバイスはチャネル・パスに論理的に繋がっている必要があるので接続中時間となる。
大きなブロック・サイズ、大きなVTOCやPDSディレクトリー。